20種類のアミノ酸を解説-その②『非必須アミノ酸』の作用と効果

人間の体を構成する20種類のアミノ酸は必須アミノ酸と非必須アミノ酸の2つに分けることができます。

 

以前の記事はこちら:
アミノ酸とは?種類や体との関係は?おすすめのサプリメントも紹介

 

この20種類のアミノ酸はそれぞれに働きが異なります。前回の記事では「必須アミノ酸」の解説をしました。

 

必須アミノ酸についての記事はこちら:
20種類のアミノ酸を解説-その①『必須アミノ酸』。それぞれの作用と効果について。

 

今回はそのアミノ酸のうち、「非必須アミノ酸」として知られる11種類のアミノ酸それぞれについて説明していきます。

非必須アミノ酸

アスパラギン

  • 説明:
    世界で最初に発見された非必須アミノ酸です。アスパラガスから見つかったアミノ酸であるためこの名前がつきました。有害なアンモニアがアスパラギン酸で無毒化された際にも生成されます。エネルギーを生産するTCA回路の近くに位置しています。
  • 主な働き:
    エネルギーの生産をサポート、運動持久力の向上、肝機能保護、尿排出促進
  • 不足すると:
    アスパラギン酸の摂取不足がアスパラギンの不足を引き起こします。そうすると乳酸が蓄積し筋肉疲労の原因となり、体の冷えや頭痛などを引き起こします。血中のアンモニア濃度が上がり、中枢神経系に強い毒性を与える可能性があります。
  • 過剰な場合:
    過剰摂取しても影響が出るほど残存・蓄積されません。
  • 多く含まれる食品:
    牛肉、鶏肉、鶏卵、アスパラガス、大豆、ナッツ類、じゃがいも

アスパラギン酸

  • 説明:
    からだの中に存在する割合としては少ないのですが、タンパク質の一部分で重要な役割を担っています。人口甘味料アスパルテームの原料になります。尿の合成を促進する効果があるため、体内に残ると毒性を発揮してしまうアンモニアを体外に排出しやすくする作用があります。エネルギーを生産するTCA回路の最も近くに位置しているので、即効性のあるエネルギー源として、スポーツドリンクや栄養剤にも使われています。
  • 主な働き:
    利尿作用、老廃物の処理、肝機能の促進・疲労回復
  • 不足すると:
    スタミナが減少し、体が疲れやすくなります。痛みや熱さなどの外的な刺激への抵抗力が下がります。血中のアンモニア濃度が高まり肝性脳症を発症するリスクが高まります。
  • 過剰な場合:
    アスパラギン酸については、過剰摂取の問題がほとんどないといわれています。
  • 多く含まれる食品:
    さとうきび、アスパラガス、もやし、らっきょう、まぐろ、うなぎ

アラニン

  • 説明:
    ほとんどすべてのたんぱく質に広く豊富に含まれています。糖質代謝に重要な働きをするアミノ酸で、体に必要な糖を合成する材料として使われています。 エネルギー源として最も利用されやすいアミノ酸のひとつです。二日酔いの原因となる「アセトアルデヒド」の分解を促進する作用があります。角質に含まれている天然の保湿成分のひとつでもあります。
  • 主な働き:
    二日酔い予防、肝機能のサポート、免疫力向上
  • 不足すると:
    代謝機能が弱くなり、疲労が溜まりやすくなります。また酔いやすくなり、二日酔い・肝臓がん・脂肪肝・肝硬変のリスクが高まります。
  • 過剰な場合:
    血圧の低下や、めまいや立ちくらみの症状が出やすくなります。
  • 多く含まれる食品:
    貝類(しじみ、あさり、牡蠣、はまぐり)、豚肉、鶏肉

アルギニン

  • 説明:
    血管を広げるために必要な一酸化窒素はアルギニンから作られており、血管を広げて血液を通り易くするために、重要な役割を果たしています。余分なアンモニアを除去するのに有用なことも知られています。成長に重要な働きをするのですが成長期には合成能力が足りないため、小児では「必須アミノ酸」となっていて食事から摂取する必要があります。成長ホルモンの合成にも関与しています。
  • 主な働き:
    血管機能の正常化、免疫力向上、性機能改善、食欲抑制
  • 不足すると:
    成長ホルモンの分泌が少なくなり、老化現象が早く起こる可能性があります。動脈硬化などの生活習慣病を引き起こしやすくなります。
  • 過剰な場合:
    アルギニンはアルカリ性の為、弱酸性の消化器官に悪影響を及ぼす可能性があります。胃腸が弱っている場合は下痢になりやすくなります。
  • 多く含まれる食品:
    豚肉、鶏肉、豆乳、えび、ごま、レーズン、ナッツ類

グリシン

  • 説明:
    最古のアミノ酸と考えられていて、構造が最も単純です。神経伝達物質としての役割があるアミノ酸で、運動・感覚などの体の調節に役立っています。また、皮膚のコラーゲンの1/3を構成しているアミノ酸です。睡眠の質を良くするといわれています。
  • 主な働き:
    美肌効果、快眠効果、新陳代謝、抗うつ効果
  • 不足すると:
    不眠症になる可能性があります。コラーゲン生成が低下することで、肌荒れなどの肌トラブルを招いたり、膝や腰などの関節痛を引き起す恐れがあります。
  • 過剰な場合:
    呼吸筋にマヒが起こる可能性があります。
  • 多く含まれる食品:
    えび、かに、うに、豚足、牛すじ

グルタミン

  • 説明:
    筋肉内に豊富に含まれてるアミノ酸のひとつです。胃を守ったり、肝臓を守ってアルコールの代謝を高めることも報告されています。胃腸粘膜を作る細胞の合成を促進することで、腸からの病原菌の侵入を防ぐ効果もあります。激しい運動をおこなったあとやケガをした際は消費量が増えるので、補給が必要になる場合もあります(そのため準必須アミノ酸とも呼ばれています)。加熱により変性するので、食品からの摂取は生メインとなり食材選びや食べ方は難しいといえます。
  • 主な働き:
    疲労回復、胃腸粘膜の保護、肝機能のサポート、免疫力向上
  • 不足すると:
    筋力低下や消化不良を起こしやすくなります。免疫力が低下し、風邪などの感染症にかかりやすく治りにくい状態になります。
  • 過剰な場合:
    普段の食生活で過剰に摂りすぎる心配はほとんどありませんが、肝臓にダメージを与えるため1日の摂取量は40gまでに抑えるべきとされています。特に、妊娠中や母乳授乳期の場合は過度の摂取を控える必要があります。
  • 多く含まれる食品:
    豚肉、小麦粉、海藻、大豆、サトウキビ、魚、鶏卵、チーズ

グルタミン酸

  • 説明:
    小麦グルテンから発見されたアミノ酸であり、昆布のうまみ成分としても知られています。そのナトリウム塩であるグルタミン酸ナトリウムがうま味調味料として使われていて、現代人は過剰に摂取している可能性の高いアミノ酸です。天然・人工によって違いますが、グルタミン酸の過剰摂取が続くと、 神経の興奮や手足の痺れや頭痛・のぼせなどが起こるおそれがあります。脳の機能にダメージを与えるアンモニアを取りこみ、グルタミンに変換することでアンモニアを無毒化してくれる作用があります。
  • 主な働き:
    疲労回復、血圧抑制、ED改善、認知症予防効果
  • 不足すると:
    脳機能が低下し排尿阻害を引き起こす可能性があるといわれています。しかし、日本人の一般的な食生活では不足することはありません。
  • 過剰な場合:
    天然のグルタミン酸の過剰摂取は、睡眠障害や神経症、幻覚などが生じる場合があります。化学調味料であるグルタミン酸ナトリウムの過剰摂取では、頭痛、のぼせや手足のしびれが起きやすくなります。
  • 多く含まれる食品:
    昆布、チーズ、緑茶、しいたけ、トマト

システイン

  • 説明:
    硫黄を含んだアミノ酸で、毛髪や体毛、爪に多く含まれており、シミの原因となる黒いメラニン色素の生成を抑制し、黄色いメラニン色素をつくるとする働きがあります。
  • 主な働き:
    抗酸化作用、全身倦怠軽減、二日酔い緩和、肌荒れ改善
  • 不足すると:
    シミ・そばかす・薄毛・切れ毛などを引き起こしやすくなります。
  • 過剰な場合:
    白髪が増えるといわれているようです。
  • 多く含まれる食品:
    赤唐辛子、にんにく、たまねぎ、ブロッコリー

セリン

  • 説明:
    細胞膜を構成するリン脂質のホスファチジルセリンの構成成分や、グリセリン酸の材料となるアミノ酸です。肌の保湿成分であるグリシンの原料や、脳の細胞を構成する神経細胞の材料ともなっています。
  • 主な働き:
    健脳効果、美肌効果、快眠効果
  • 不足すると:
    肌荒れ、しわの原因となります。セリンは脳のエネルギー源の原料でもあるので、その不足は集中力の持続にも影響があります。
  • 過剰な場合:
    代謝で消費され続けるため、過剰摂取しても蓄積されない
  • 多く含まれる食品:
    牛乳、大豆、いくら、かつお節、海苔

チロシン

  • 説明:
    チロシンはフェニルアラニンからつくられるアミノ酸です。神経伝達物質である「アドレナリン」「ドーパミン」「ノルアドレナリン」のほか、代謝に関わる「甲状腺ホルモン」「メラニン」の原料になります。
  • 主な働き:
    健脳効果、美肌効果、快眠効果
  • 不足すると:
    神経伝達物質の分泌が減少するので、代謝活動の減衰やうつ症状を引き起こす原因となります。メラニン色素の生成が妨げられるので白髪が増える原因にもなります。甲状腺ホルモンの不足が起き、コレステロール値が上昇し、動脈硬化や高脂血症を引き起す可能性があります。
  • 過剰な場合:
    メラニンが多く生成されてしまい、肌のシミやそばかすが増える原因となります。また、過剰に甲状腺ホルモンが分泌される要因ともなり、交感神経が刺激されるため、手の震え・動悸・めまいを起す場合があります。ノルアドレナリンの量が増加するので、血圧が上がる可能性もあります。
  • 多く含まれる食品:
    牛乳、大豆、いくら、かつお節、海苔

プロリン

  • 説明:
    皮膚などの組織を構成するコラーゲンの原料となり、皮膚に潤いをもたらす天然保湿成分(NMF)として最も重要なアミノ酸のひとつです。脂肪の燃焼にも関わっているため、ダイエット用(アミノ酸ダイエット)のサプリメントにも含まれることが多いです。年齢と共にプロリンは減少していきます。
  • 主な働き:
    脂肪燃焼によるダイエット効果、美肌効果、新陳代謝
  • 不足すると:
    コラーゲンの合成量が減少するため、皮膚の傷が治りにくくなったり、膝や腰に痛みが出る場合があります。また、美容に悪影響を及ぼす可能性もあり、シワが出来やすく、肌のハリツヤがなくなるといった事が起きてしまいます。
  • 過剰な場合:
    現在、過剰摂取による副作用は確認されていません。
  • 多く含まれる食品:
    牛乳、豚肉、ゼラチン、大豆、かつお節、チーズ

まとめ

いかがでしたか?

非必須アミノ酸は体内で作ることができるため、生命維持の為に食物から摂り入れる必要が無いものばかりです。しかし、なぜ体内で作れるのか?ということを考えていくと、「生きるために絶対必要なものだからこそ、人類の進化の過程で体内合成できるようになった。」といえるのではないでしょうか。

いくら生命維持に必要な栄養素だからといって、過度に心配する必要はありません。一般的な日常生活を送り、通常の食生活を送っている限りはきちんと体内で生成されていくものなので、過不足することはほとんどありません。むしろ、極端に偏った食事での欠乏や、サプリメントでの過剰摂取による体の不調の方が心配です。

体によい効果を謳った非必須アミノ酸のサプリメントも多数販売されていますが、宣伝されている効果効能だけに目を向けるのではなく、まずはアミノ酸スコアを意識しながらの食生活を実践し、そこで足りないと思われる部分のサポートにサプリメントの活用を考えるのが良いと思います。

サプリメントは薬ではなく、あくまでも健康や栄養バランスのサポート役です。どのサプリメントが自分に合うのか、しっかり吟味して上手に付き合っていきたいものですね。

 

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参考資料

・必須アミノ酸、非必須アミノ酸、その二つを分けるもの
(日本栄養・食料学会誌 第60巻より抜粋 小田裕昭 著)

・食品成分データベース
(文部科学省webサイト内 日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2018年より)

・グルタミン酸:必須な非必須アミノ酸
(米国ベイラー医科大学 デニス・ビアー、ピーター・リーズ 著)