食中毒を防ぐには-つけず増やさず/3つの原則

食中毒とは、食べ物や手などに付着した細菌やウイルスが体内に入り、下痢や腹痛、発熱、吐き気といった症状を起こすことをいいます。

6月~8月は注意!

ジメジメとした梅雨時期は、気温も上がり蒸し暑さが増してきます。
この高温多湿の6月~8月は食中毒菌が増殖しやすい季節です。
また、11月~3月もウイルスが原因の食中毒が発症します。
これは気温が低く乾燥しやすい環境なのでウイルスが長く生存し、空気中の飛散量も増加するからです。

厚生労働省の統計によると食中毒は、過去5年間で年間約1千件の報告があり、1万2千人~2万人の患者が出ています。
発生原因の場所は、飲食店が5~6割で一番多く、次に家庭で発生しています。

食中毒を起こす主な原因

アニサキス

アニサキスは、約15ミリの白い糸状の寄生虫の一種です。
原因:オキアミ(プランクトンの一種)を食した魚介類の生食は、アニサキス症のリスクを高めます。
症状:魚介類を口にしたあとに、上腹部通、下腹部痛、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れます。

カンピロバクター

カンピロバクターは家畜や家で飼う鳥類などの腸管や生殖器に感染する微生物です。
原因:十分に加熱されていない肉(おもに鶏肉)や、飲料水、生野菜などが原因です。
症状:主な症状は胃腸炎で、食後2~5日で、下痢、発熱、吐き気、腹痛などの症状が出ます

ノロウイルス

ノロウイルスは人の小腸粘膜で増殖するウイルスです。
原因:カキやアサリ、シジミなどの二枚貝を生や十分加熱しないで食べた場合に感染します。また汚染された水などを飲んで感染することもあります。
症状:潜伏期は1日~3日で、吐き気・おう吐や下痢、腹痛などの症状がでます。

サルモネラ菌

サルモネラ菌は鶏肉や鶏卵に限らず、野生動物の腸管に保菌されています。
その他腸内容物で汚染された二次汚染された食品などを介してヒトに感染します。

原因:十分に加熱していない卵・肉・魚や、腐敗した食品、その他腸内容物で汚染された二次汚染された食品などを介してヒトに感染します。
症状:食後6時間~72時間で、吐き気、腹痛、下痢、発熱、頭痛などの症状が出ます。

黄色(おうしょく)ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は、人の皮膚、鼻や口の中にいる菌で、とくに人や動物の傷口などや、手指・鼻・のど・耳・皮ふなどに広く生息しています。
原因:傷を触った手で食べ物を触ると菌が付きやすくなり、調理する人の素手を介して食品が菌に汚染されます。
症状:食後30分~6時間で、吐き気・おう吐や下痢、腹痛などの症状が出ます。

*この菌が作る毒素は加熱では破壊できないため、残った調理済食品の再加熱利用は避けましょう。

ウェルシュ菌

ウェルシュ菌は、土や水の中、人や動物の腸内などに生息している細菌です。特に牛・鶏・魚が保菌していることが多い菌です。
原因:ウェルシュ菌は空気が嫌いな菌のため、鍋底の酸素濃度が低くなる大量調理(カレー、スープ、シチューなど)は要注意です。鍋底の近くでは増殖します。
*調理中はよくかき混ぜ、鍋底にも空気を送りながら加熱しましょう。

症状:食後6〜18時間で、水様性の下痢・軽い腹痛などの症状が出ます。

腸炎ビブリオ菌

腸炎ビブリオ菌は、沿岸の海水中や海泥中に生息し水温が 15℃以上になると活発に活動します。
原因:生の魚や貝などの魚介類が原因となり、塩分のあるところで増える菌です。
症状:食後4時間~96時間で、激しい腹痛、下痢などが主症状です。

腸管出血性大腸菌(O-157、O-111など)

大腸菌は人や動物の腸管に存在します。
原因:飲べ物を介する経口感染がほとんどで、菌に汚染された飲べ物を摂取するか、患者の糞便で汚染されたものを口にすることで感染します。
症状:食後12~60時間で、激しい腹痛、下痢、血がまざった下痢などの症状が出ます。

食中毒を防ぐための3つの原則

厚生労働省は、食中毒を防ぐために原因となる細菌やウイルスを「つけない」「増やさない」「やっつける」の3原則を提唱しています。

「つけない」-洗う・分ける

調理前の手洗で菌を食べ物につけない、洗える食べ物はしっかり洗い菌をつけない、生の肉や魚は扱う料理器具を分け使用ごとに洗浄を行い菌をつけないことです。
肉や魚を保存するときも他の食品と分けて包み菌を発生させないようにしましょう。

「増やさない」-低温で保存

細菌やウイルスは高温多湿の環境や、保存時間が長いと増えていきます。
生ものや作った総菜、食品は早く食べるようにしましょう。すぐに食べないものは、冷蔵庫に入れて保存しましょう。

「やっつける」-加熱処理

細菌やウイルスの多くは高い温度に弱いので、加熱処理でやっつけることができます。
食材を中心までよく加熱しましょう。75度で1分が目安になります。

菌増殖は10度で鈍化し、殺菌は75度で1分加熱です!

食中毒かなと思ったら

おう吐や下痢の症状は、原因物質を排除しようという体の防御反応です。
市販の下痢止めなどの薬をむやみに服用しないようにし、早めに医師の診断を受けましょう。

体調管理や生活習慣に気を付け、防御機能を高めておくことが大切

私たちのからだには、食中毒菌などを撃退するいろいろなメカニズムが備わっています。
健康な人、免疫力の高い人は、胃酸によって食中毒菌を殺菌したり、腸内にいる乳酸菌などで食中毒菌が繁殖しにくい腸内環境を保っています。
まず睡眠や食事をきちんととり、軽い運動や趣味などで気分転換をして、ストレスを解消することを心がけましょう。

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